<特集>正月臨時運行 '07.1.1.
Pressented by “A Ticket to Wander”&“Tsujido Bus Terminal


 毎年正月期間には、鎌倉八幡宮・寒川神社の初詣臨時輸送が実施されます。この臨時輸送などでは、交通規制などで普段バスが通らない場所でのバスの活躍を見られるのはもちろんのこと、他にもここでしか見られない幕・表示など貴重なシーンが目白押しです。
 この特集ではそれらの写真・記録を一挙公開! 1ページ目の鎌倉関連・2ページ目の寒川神社関連の2ページ構成となっております、どうぞごゆっくりご覧下さい。鎌倉関連については2006年分の概略がこちらにありますので、こちらも併せてご覧いただければと思います。


寒川神社関連輸送はこちら


 1.八幡宮裏臨時ターミナルと関連各路線 江ノ電鎌倉営業所・横浜営業所・手広営業所

左:駐車場出口に位置する、各方面に列が分けられた臨時乗り場。写真は午前中のためまだ帰る客はおらず、
      乗り場はがら空きだが、午後になれば全ての方面に常時行列が控え大盛況となる
中:八幡宮方面の正月臨時ダイヤ(北鎌倉停留所・小袋谷方面)。通常この区間は3〜4本/hなので、いかに
    大量に増発されているかが分かる
右:乗り場手前の駐車場壁面に掲示された各方面への運賃表。2005年までは路線図も兼ねた形式だったが、
      2006年以降はまるで屋台のメニューのようないでたちに
      背後には毎年待機所として使用される定期遊覧用車、121号車の姿も
      121号車が廃車となった2007年には、こまわりくん291号車が待機所として使用されていた

臨時の折返場となる八幡宮裏駐車場には、臨時輸送にあたる鎌倉・手広・横浜各営業所の車両がひきも切らず
入っては出てを繰り返す。元々ここは江ノ電の貸切営業所で、正月だけはここをバスが埋め尽くす光景の復活と
なる。
左:初詣帰りの客を次々と飲み込む戸塚駅行。2005年春投入のエルガも早速2006年には同線の運用に就くとこ
     ろが見られた。すぐ後ろには後発の上大岡駅行も控えており、頻発具合を伺わせる
中・右:臨時バスが並ぶ駐車場の道路側。降車扱いはこの駐車場内・写真手前で行い、道路側に入って待機の
     後 駐車場出口で乗車を扱って各方面へ戻っていく
     常時2台以上、多いときには4台以上が並ぶ駐車場内では臨時運行用の幕を出している車両も多数
     見られる。富士重車が着々と姿を消していく中2006年には多数の富士重車が一瞬並ぶシーンが見られ
     た(写真右)が、手広の富士重車も姿を消す2007年にはこのようなシーンももう見れないだろう

定期路線ながら大増発され、正月限
定の幕“鎌倉八幡宮”表示を出して走
行する上大岡〜鎌倉線。鎌倉営業所
の大古参車には幕の仕様が大幅に
違っていたり専用の幕が入っていない
車両もある(定期の本郷台線に関して
は最新車でも“鎌倉八幡宮”の表示は
ない)ようだが、横浜営業所の車両に
は最古参の幕車から最新鋭のLED車
まで全てこの表示が入ってるようだ。
但し鎌倉方面行のみで、上大岡方面
行は通常の表示を使用する。

臨時路線の鎌倉湖畔⇔鎌倉八幡宮線、通称湖八線。ここ数年間は'97年式以降の車両での運行がほとんどで
あったが、2005年に路線ごと手広営業所に移管され、その関係で2006年は富士重架装の'92年式車による運行
も見られた(写真中)。20分間隔で運行の同線だが、きっかり2本に1本は湖畔循環内で車両交換を行うため、
地蔵前止となる便では湖畔線エリア内で“地蔵前”の表示を出して運行するケースもあった。そのため通常は夜
間しか見られない地蔵前行が真昼間から撮影可能に

臨時路線の戸塚駅〜鎌倉八幡宮線。上下とも専用の幕が用意され、6本/h運行とかなり気合の入った路線で
ある。2006年以降は5本/hに減便されているが、それでも鎌倉営業所が総力体制で当っていることに変わりは
ない。同所の各年式車が入れ替わり立ち代わり現れ、同線の運用を担う

三が日中の規制時間帯外(1〜3日の夕方と2・3日の朝)には、これら臨時路線が若宮大路を経て鎌倉駅構内
に乗り入れる様子も見られる。2006年は例年より規制開始時間が1時間繰り下がったため、より多くの便で駅
乗り入れが見られた――それでも合計で20便程度だが――。
左上・中上…若宮大路を走行する湖八線鎌倉駅行と戸塚線戸塚行。
        それぞれ年間で10回程度しか見れない走行シーン
右上…鎌倉駅を出て行く鎌倉湖畔行。リアのLED表示は“鎌倉湖畔⇔八幡宮”
下段…北鎌倉方面乗り場で乗車扱いを行う湖畔行、構内で待機する戸塚行、警察署前を行く湖畔行

臨時路線や定期路線の臨時幕の数々。
左上2つ:2006年に初めて見られた大船駅〜鎌倉八幡
      宮の表示。八幡宮行のみ臨時表示を出す他
      定期路線と異なり、上下とも端に“鎌倉八幡
      宮”入りの幕を用意していた
右上2つ:毎年恒例の上大岡駅→鎌倉八幡宮の表示。一見終着を書き換えただけ
      のように見えるが、実は通常の表示には“清水橋”の経由地表記はなく、
      何故かここも正月限定仕様である
左下2つ:臨時路線、鎌倉湖畔⇔鎌倉八幡宮線の幕とLED。幕はそのまんまだが、LEDには“北鎌倉駅”表記が
右下4つ:同じく臨時路線、鎌倉八幡宮⇔戸塚駅線の各種表示。こちらは長距離でまた勤労会館経由でもある
      ことから、一般路線同様の案内がなされる。リアの“大船駅 戸塚駅”表示も目新しい。'94年式車の幕
      は矢印がなく、右下の写真にある'91年式車の幕は臨時幕に変わりはないものの大幅に内容が異な
      っている。僅か年間数便の鎌倉駅乗り入れに対応…? しかしおそらくここ数年その駅乗り入れ便に
      '91年式車が充当された様子はない。
      本数が多いため鎌倉営業所総出体制で運行される戸塚八幡宮線、'91年式車には辛うじてこのような
      幕が用意されているが、さらに以前の車両には専用の幕がなく、八幡宮行は“大船駅経由鎌倉駅”
      (通常は天神橋線で使用)の前面幕と“江ノ電”の側面幕を、戸塚駅行は無経由表示の“戸塚駅”前面
      幕と大船駅〜戸塚駅線の側面幕を使用していた

夕方17:00には交通規制が解かれ、バスも駅に乗り入れる通常の運行形態へと戻る。運行切替時間の前後に
は、駅入りの回送車が臨時ターミナルで乗車扱い中のバスと顔をあわせたり行列を組んで入り待ちをしたり、
また詰所として利用される定期遊覧用車121号車が駐車場から出て行くところも見られた



 2.下馬四つ角・ガード下臨時ターミナルと関連各路線 江ノ電藤沢営業所・京急鎌倉営業所


2006年正月、ガード下交差点で転回する
'91年式長尺車、527号車
'91年式車の2006年中の廃車が
確実である故、この交差点で長尺車が
転回する光景も既に過去のものとなった

下馬四ツ角臨時乗り場で
使用されるステップ(2007)
ステップが必要なこの場所は
奇数年は京急、偶数年は
江ノ電が使用している模様
長谷観音方面から鎌倉駅に乗り入れる3路線は
近年は通常通りのダイヤにて下馬四ツ角折返し
による運行となっている。
深沢線が手広営業所所管だった時代には、北
鎌倉方面同様に特発ダイヤが組まれおよそ8
分間隔での運転であったが、末期は空気輸送
状態だったため2003年の正月を最後に打ち切
られた。一方で以前はR134の渋滞から正月運
休となっていた辻鎌線は、近年は通常通り運行
されている。
京急と異なり近辺に車庫はないため、ガード下
で転回の前後は臨時乗り場周辺で待機となる。
乗り場位置が歩道と段差のある部分にあたっ
た2004年と2006年には、右写真のようなステップ
も使用されている。2005年・2007年には同じ場所
に京急の大船線乗り場が置かれ、同様に運用さ
れていた

京急の大船線と小坪線、それから江ノ電藤沢営業所の各路線が発着
する下馬四ツ角臨時ターミナル。京急の小坪線やりんどう号の姿が見
える。降り場が左側・乗り場が右側で、待機車は道路の両端を使う。
名越方面と十二所・鎌倉宮方面は写真奥手のJRガード先を右折した
ところにあるガード下臨時ターミナルの発着。いずれも営業所が近い
ため、京急車は待機時に営業所に戻るケースも多い

 毎年鎌倉方面への輸送増強ということで鎌倉〜金沢八景間の鎌24系統
が増発されるが、江ノ電と異なり他路線のダイヤを犠牲にしないため、増
発分は他営業所からの応援運行車が賄っている。
 そんな各年の鎌24応援運行に就いた他営業所の車両たちがこちら。左
上は2004年の追浜営業所、左2枚は2005年の能見台営業所、上2枚は
2006年の逗子営業所。2007年も前年に続き逗子営業所が増発便の運行
を担っている。
 2004年正月当時は鎌倉にはまだ日デ車の配属はなかったため、年一
回の追浜日デ車出現は鎌倉側では新鮮だった。鎌倉は富士重車は多か
ったが、日デにしか架装されていない西工車体となると尚のことである。
この一年後には西工車体も日デ大型も当たり前のように京急鎌倉の各
路線をを走り回ることになるとは当時思いもしなかったものである。
 2004年までは毎年追浜営業所が務めた鎌24系統の応援運行だが、子
会社化などのあおりを受け2005年の1年のみ能見台が担当、その際は
通常鎌倉に現れることのないエルガノンステなどが充当された。日デ大型
車も充当されたが、この年は既にC8848号車等が鎌倉にも登場していた
ため、追浜時代のような物珍しさはなかった。
 2006年以降は能見台も子会社化を完了したため、応援運行はお隣の
逗子営業所が担うことに。しかしながら逗子営業所はどこにも増して鎌倉
と車両ラインナップが酷似しており、車両的な目新しさは全くなかったのも
事実である。もっとも鎌倉もここ数年で急激に車種を増やしているので、
今追浜が再度担当したところで往時ほど目新しく感じられる車両もないか
もしれない――いすゞの大型ノンステップ車も2005年正月の応援運行を担当した能見
台車以来見ることはないかと思いきや、2006年下期に鎌倉に投入されたことで2007年には
普通に見られた
――。
 追浜では幕車にも鎌24が装備され、応援運行に幕車が充当されることも
あったが、2005年以降は元々鎌24応援を行っていない営業所ゆえLED車
のみの限定充当となっている。幕でもLEDでも、規制時間帯中は鎌倉
には乗り入れないことから表示が鎌倉になっているのが伝統。2005年以
降は一部の車両において、規制時間帯外の“鎌倉駅”と時間帯中の
鎌倉”表示を使い分けている例も見受けられ、LEDの芸の細かさを垣間
見ることができた。
 応援運行は規制時間帯外も行われ、右上・左下写真のように駅構内や
若宮大路に乗り入れる姿も 数少ないながら見ることができる。
左上:追浜から応援に入ったKL-JP、A8280
     号車 この頃は何故か応援運行には
     最新鋭車が充てられることが多く、当
     時京急鎌倉では見ることのできなかっ
     た西工車も正月にはよく見られた
左中:臨時鎌24系統乗り場で乗車を扱う能見
     台のエルガノンステ。彼岸時にもこの
     車両は能見台から駆けつけたが、鎌倉
     への配属は最近までなかったため鎌倉
     では珍車であった
左下:規制時間帯外の鎌倉駅で待機する
     能見台のY8629号車
上中:ガード下脇の臨時乗降場で降車扱い中
     のD2358号車。車両は鎌倉でもよく見か
     けるKL-LTだが、“鎌倉”の表示に注目
右上:規制時間帯外に若宮大路を抜けて
     金沢八景へと向かうD2649号車

臨時増発される鎌24系統の正月ダイヤ(2006年・鎌倉発・クリック
=拡大してご覧下さい)と、応援運行車の鎌24側面表示。“鎌倉”
と「駅」が入っていない表示がポイントの側面表示はY8629号車の
ものだが、LEDの周辺が丸枠なのは、同じ富士7Eでも鎌倉では
見ないスタイルである。
通常は2本/h程度の鎌24系統もこの時はほぼ倍増となり、日中
は10〜15分間隔、一日あたりの運行本数も30→57本に('06・'07)。
この時刻表には他系統の時刻も併せて記されているが、鎌24
系統以外は本数・時刻に変更はない模様。

ほとんどの方面が下馬四ツ角・ガード下の臨時乗り場からそのまま出て行ける鎌倉駅発着路線だが、十二所・
鎌倉宮方面路線のみ通行止めとなっている若宮大路を越えて北に向かわなければならない。そのため、正月
三が日のみこれら路線は 若宮大路の一本東側に位置する小町大路を抜けて行く。鎌24系統もこの方面のた
め、他営業所からの応援運行車もこの小道を通る。
“大路”とは名ばかりの狭い裏道で、バス片方向がやっと走行できる幅のため無線誘導が行われており、出入
口となる大町四ツ角(名越線筋)と大学前では入り待ちのバスが待機するシーンも見られる。
左上…列を成して小町大路を走行する十二所・鎌倉宮方面各路線。元々本数が多い上、無線誘導による運行
     となるため、入り待ちをしていたバスが団子状態で立て続けに通過していく光景が幾度となく展開する
中上…この通りはバスタクシー通路であるが、住民車も走行する バス同士は無線誘導によりすれ違うことは
     ないが、相手が乗用車でも 大型車は何ともすれ違いにくそうだ  写真のC8848号車転入翌年の撮影
右上…小町大路の本覚寺前にさしかかる鎌36系統、C1355号車 この橋が唯一すれ違いができるポイントで
     誘導員も配置されているが、ここですれ違いが行われたことがあるのかどうかは不明
下左…「バス・タクシー通路」の看板が置かれた脇をすり抜ける鎌24系統、能見台車による応援運行便(2005)
下中…迂回路の北側入口にて、入り待ちをしていたバスが一斉に小町大路になだれ込むシーン。後ろにはこ
     の年まで応援運行を担っていた追浜営業所の日デ車も見える(2004)
下右…同じポイントを反対側から、小町大路を抜け通常ルートに戻る鎌23系統。後ろにはやはり後続が見える

ガード下の交差点で転回&左折する
京急鎌倉車。ここより駅側はバスも
完全に通れなくなるためスペースに
余裕のあるこの交差点が 下馬ターミ
ナル・ガード下ターミナル発着便とも
転回場となる他、左手にあるガード下
ターミナルから営業所への回送のた
め鋭角に曲がるバスがあるなど、通
常ではありえない動きも頻繁に見る
ことができる。

下馬四ツ角の臨時ターミナル・京急の2乗り場と、規制時間帯中の鎌
倉駅ターミナルのポール。
江ノ電は特に何もしないのに対し京急ではポールにカバーがかけられ
使用休止中を示している。さらにこのカバー、何と臨時乗り場の場所を
案内するインフォメーションつき。臨時乗り場も交通規制の内容も毎年
変わらないので、カバーも変わった様子がない。臨時乗り場用ポール
(?)と同様、毎年三が日になるとこのカバーが日の目を見る…という
ことのようだ。

2006年は正月運休であったリビエラ
直行も2007年には運行されている。
名越線と同じ乗り場からの発車。
なお2006年9月頃から鎌倉営業所で
は慢性的な車両不足のためリビエラ
線分の運用が増える休日は毎週久
里浜から車両を借り入れており、
2007年正月もやはり久里浜からの
車両借入があった。これにより、ガー
ド下の交差点で久里浜の日野大型車
が転回する様子も見られている



 3.鎌倉駅西口 江ノ電藤沢営業所・京急鎌倉営業所

通常は上りが駅まで入り下りは市役所前から発車となる
鎌倉西口線だが、駅西口も規制により一部封鎖される
ため、上りは市役所前止まりとなり市役所玄関前で転
回、また通常の乗り場も市役所玄関より後方にあるた
め通常乗り場から20mほど前方に臨時の乗り場が設置
される。
左:市役所玄関前で転回する鎌51系統、鎌倉中央公園
    行。写真左側に通常の乗り場があり、右側に臨時
    乗り場が設置される
右:通常より前方に設けられた臨時乗り場ポール。より
    本数が多いせいか江ノ電の管轄になっているようだ



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